山沖勇輝主演、tetsutaro produce vol.5 『風の音聞こえず、鈴音が落ちる』作・演出 新里哲太郎 インタビュー!

3日(水)、東京・下北沢小劇場B1にて、tetsutaro produce vol.5『風の音聞こえず、鈴音が落ちる』が初日開幕を迎えた。

本作は、演出家・脚本家・役者として活躍する新里哲太郎が手掛ける tetsutaro produce 作品の第5弾。主演には、『ミュージカル テニスの王子様』、舞台版・映画版『Messiah メサイア』の山沖勇輝を迎え、『ミュージカル エリザベート』篠原功、舞台『ハイスクール!奇面組2』宮下雄也ら、舞台・映像で活躍する若手人気俳優が顔を揃える。

物語は、死刑執行をひかえた連続殺人犯の父親を持つ兄弟達を取り巻く社会派サスペンス。シリアスな内容でありながら、篠原功、田中翔、橋本仁、小林宏樹 ら演じる兄弟を取り巻くキャスト陣による軽妙な会話劇に客席からは笑い声も。人ごとの悲劇ではなく、誰にでも起こり得るリアリティーで描く独特のストーリー展開に思わず引き込まれる。

PRE⭐︎STAGEでは、作・演出、そして、兄役を演じる新里哲太郎に本作の魅力について話を聞いた。

ーーーこの作品を描きたいと思われたきっかけは?

新里哲太郎さん:3年ぐらい前に裁判で、心に引っかかった犯罪を描きたいと思ったのがきっかけです。最初は、犯罪者自身を描こうと思って様々な調べ物をしたりする内に、アメリカの犯罪史で犯罪者の死刑執行をカウントダウンすると言う衝撃的な動画がありまして、そういう事が人間のこの世界で実際に起きていること、そして「もし、身内にそんな事が起こってしまったら・・・」と観客の皆さんに考えていただけるのではないかと思いました。

普段自分達が持っている狂気は、殺人とまでは行かなくとも、言葉や態度でその人を殺してしまう事もあるかもしれない。この作品を通して、一番の願いは、苦しい思いや犯罪が少しでも減って欲しい。そのきっかけになればという想いで書き始めました。

ーーー作・演出・ご出演とご活躍ですが、実際にキャストのみなさんのお力をいただいての仕上がりはいかがですか?

新里哲太郎さん:思った以上にに凄いです!頭の中で自分が作品を描く時は、作家の頭で仕上げていくのですが、それを生身の人間が言葉にしていく時は、役者陣がそれぞれの芯を持って言葉にしてくれるので、そこに説得力が生まれます。僕が想っていた以上の人格が出てきて怖いなと思います。自分が書いている時は、もう少しドライな気持ちで感じて書いたところが、実際に生身の人間が入るとこんなに熱量が出て「あぁ、ここってこうなるんだ・・・」って説得力に驚かされますね。日頃からいろんな役者の方の感性も大切にしたいと思っていますので、役者陣から「ここは、こう言う風に言いたくなるのですが」と言っていただいたり、そう言った部分もよく話し合いを重ね、実際に舞台に立つ事以上に、話し合う時間を大切にしながら作品を仕上げていく事ができたと役者陣からも言ってもらえたり、稽古を重ねる中で本当に進化していった作品です。

ーーー山沖勇輝さん、宮下雄也さんのお二人は、2.5次元舞台でもご活躍で、今回の作品では新たな一面が開花されたのではないかと思いますが、お二人のご様子はいかがですか?

新里哲太郎さん:オッキー(山沖勇輝さん)が演じる役に関しては、優しいが故に色んな悲劇に耐えなけばならない。強さを持ちながらも優しくいたいという人物。オッキーが元から持っている優しさがとてもいい物を持っているので、こういう状況に置かれたらオッキーならどう感じるか、そこにこう言う事があったら・・・稽古を重ねる度に台詞を言葉にしていくと、どんどん人物像が柔らかくなってきましたね。また、彼が役を生きようとしてくれるので台詞が形だけではなく、感情が言葉になっている部分がありますね。

宮下さん関しては、元々持っている部分にこの役を自分との中に、取り込んでいく力が本当に長けてる方です。稽古最初の方から、「どんな風に役を仕上げてくるのかな・・・」と思っていたのですが、2日、3日入ったら「これはすぐできるな!」と思いました。こっちがこういう風に見えたいからっていうのを言わせてもらうぐらいしかなかったですね。台詞を言葉にしていく為の拾い方が、僕自身と役作りの仕方と似ているところがある方なんじゃないかと思いましたね。

ーーー役者の方自身の資質に近い部分が出ている作品ですね。

新里哲太郎さん:役者の方の資質を見つけ出すのが大好きなんですよ。(笑)実際にこういう状況には、なかなか置かれる事はないと思いますが、生身の人間として演じるというより、生きているものがたまたま表現になったという演劇を作りたいと思っています。「そういう風になってしまうという」状況を二人とも非常によく見せてくれるので、逆に僕も二人の演じる2.5次元の舞台をもっと観に行って勉強しなきゃと思いましたね。

ーーーそれでは、これから舞台を観劇されるみなさんへのメッセージをお願いします!

新里哲太郎さん:テーマは凄く重たいです。少しでも真剣にそこに向きたいなと思う気持ちが大事だと思っています。でも、そこだけを毎日毎日一生懸命考え過ぎると人間って落ちゃうと思うのです。そういう大切な部分を日々感じながらもみんなに笑ってもらえたらなと思うシーンも用意してます!舞台の息遣い、手の動き一つ一つをお客様に感じていただいて、笑って、泣いて、怒っていただいて、そして、そのお客様の呼吸を僕らも感じて、また、それを芝居にまた反映させていくと言うライブ感をお客様と一緒に作らせていただきたいと思っています!是非、劇場に足を運んで下さい!お待ちしています!

tetsutaro produce vol.5 『風の音聞こえず、鈴音が落ちる』は、下北沢小劇場B1にて絶賛上演中!詳細は、tetsutaro produce vol.5 『風の音聞こえず、鈴音が落ちる』公式サイトへ

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