映画『エヴェレスト 神々の山嶺』 福岡舞台挨拶に、平山秀幸監督、岡田准一が登壇!

27 日、福岡・TOHO シネマズ天神にて映画『エヴェレスト 神々の山嶺』舞台挨拶がおこなわれ、平山秀幸監督、岡田准一が登壇した。また、TOHOシネマズ天神にて行われた舞台挨拶には福岡市登山協会会長の浦一美さんが登壇!素晴らしい映像美で山の魅力を伝える本作に、福岡市山岳協会会長が感謝状を贈与した。

2.27(土)エヴェレスト_福岡舞台挨拶

◆舞台挨拶

—おかえりなさい、福岡へ

岡田:ただいま!今日はお忙しい中、来ていただいてありがとうございます。福岡に縁のある人物を演じることが多い、岡田です。こうして福岡のみなさんに映画を観ていただけることをすごくうれしく思っています。実際にエヴェレストに行って撮影をしてきた映画です。ぜひ今日はエヴェレストを体験して帰っていただけたらうれしいなと思っています。よろしくお願いします!

平山:僕は北九州の生まれなので、福岡も地元だと思っています。5 年ぶりに映画を持って、みなさんに観て頂くチャンスをもらって、うれしく思っています。よろしくお願いします。

—邦画史上初、エヴェレスト 5200m 地点での撮影は相当ハードだったみたいですね。

岡田:空気が半分で、気温が−20°C~30°Cの世界です。空気が半分と言うと、みなさんどういう世界か、解らないと思うんですけど、“靴紐を結ぶのが嫌になる世界”なんです。僕もそれだけ聞いていたんです。撮影前に登山家の三浦雄一郎さんがやられている「三浦ドルフィンズ」という低酸素室に行って、6000m のキリマンジャロ(の状態を作っている場所)を体験したりして、現場に挑みました。

—昨年の春にネパール・カトマンズで震災が起こりましたが、震災以前の街並みが映画では映されていますよね?

平山:撮影が終わって東京に戻ってきて、地震のニュースを聞いたんです。ですから、映画の中で岡田くんが彷徨う街並みや、上がっていく山並みとか、山はそう影響はないと思うんですけど、特にカトマンズの風景に関しては、僕らが撮影した場所は全部崩壊したと聞いていますので、自分にとってはどのカットも切ないカットですね。

—今は見られない街の風景を私たちは映画で見せて頂けるんですね。実際に役者として現場に入ってみて、カトマンズの街の美しさ、山の美しさ、それぞれにどんな魅力を感じていらっしゃいますか?

岡田:厳しい風土の場所なので、すごく宗教が色濃くある街でしたし、ものすごく人のエネルギーが強い場所でしたね。実際に山に行くと、日本で見ている山の景色の 8 倍くらいの山の高さなんです。エヴェレストは、富士山のように 1 つではなく、連峰なので、7000m、8000mの山が連なっているんです。ホントに地球の壁みたいに、景色として上の方にあるんですよね。なので、自然の力強さ、みたいなのを感じる場所でしたね。

—岡田さんの中でそれらを見ていて何か変わりましたか?

岡田:原作の「神々の山嶺」という言葉がすごく合うというか、最初にエヴェレストに行って、降りてきてカトマンズの街で撮影をして、その後日本で撮影をしたんです。一番最初に、僕が演じる深町誠や、阿部寛さん演じる羽生丈二が追いかけている、“エヴェレスト”というものを見られたというのは、役作りとしてすごくよかったです。

—この後、みなさんに見て頂くのですが、全国のあちこちで試写会が行われておりまして、感想が寄せられているので、一部ご紹介したいのですが、「人はなぜ生きるのかを考えさせられ、ボロボロ泣いてしまいました」「映画の軸になっている“想い”という、言葉や気持ちが鑑賞後も心に残っています」とか、熱い男たちの挑戦といいところにグッと来た方が多いようですが、こういう感想を聞いていかがですか?

平山:本当にうれしく思います。

岡田:ありがたいですね。この作品は 20 年前の原作で、何度か映画化しようとされたんですけど、何回もダメになった企画で、実現不可能だと言われていたんですね。冬期南西壁というクライマーにとっては難関のルートを阿部丈二?阿部丈二?・・・羽生丈二でした(笑)阿部寛と羽生丈二がいっしょになってました(笑)

羽生丈二が冬期南西壁に単独で挑むというのを追いかけるという、とても求道的なお話でもあるので、そこに(想いの)熱さだったり、魂の在り方みたいなものを感じて頂ければなと思いますね。

—演じてみて特に記憶に残っている、今でもグッと想いが上がってくるような台詞や言葉がありますか?

岡田:強い台詞は、羽生丈二の言葉が多いんですけど、映画を観たら、なぜこんなに過酷な山になんで登るんだろう?って思われる方も多いと思うんです。その「なぜ登るんですか?」という問いに答える言葉で「そこに山があるからだ」というのがありますが、羽生丈二は「ここに俺がいるからだ」って言うんです。その時の阿部さんの表情は忘れられないですね。

—岡田さんと阿部さんでこの映画を撮って、今、どんなことを感じられていますか?

平山:5000m を超す撮影だと、例えば事前に東京で考えていたような、演出プランとか、演技プランというのもが、通用しないんですね。小手先のことがダメになるんです。その中で、岡田さんも阿部さんも、段々(山の)高度が上がるにしたがって、どこまでが岡田准一で、どれが深町誠か、どこまでが阿部寛で、どれが羽生丈二なのか、という感じになってきた。(役人物と本人が)どんどん混在してきて、それは俳優さんのドキュメントを見ているような感じがあって、それは面白かったですね。

—実はお二方が、福岡にお見えになるということで、福岡の山々についてのスペシャリストでもあります福岡市山岳協会の会長の浦一美さんが会場にいらしてくださっています。浦さん、映画の感想をお伺いできますか?

浦:感激しました。40 年前の情景が蘇ってまいりました。谷川岳第三スラブ、そして森田勝は、我々の青春の金字塔であったところです。こういう映画を観ると、ぜひ若い人たちに、この瞬間と色を心の中に留めていただきたいと思います。

—実際の話だということが伝わると、グッとくることがありますね。

平山:僕たちは「山屋さん」という言い方をするんですけど、山屋さん、いわゆるクライマーの人たちに「あれ嘘だよね」と言われるのが一番怖かったので(笑)ありがたく思います。

—やはり本物を感じられましたか?

浦:なかなかいいですね。エヴェレスト南西壁のシーンは素晴らしいですね。

—実際に浦さんもエヴェレストに行かれたことがあって、今年の春も行かれるんですよね?

浦:1996年に福岡市山岳協会でエヴェレストの反対側のチベットの方からチョモランマ遠征隊を出しました。その時成功しまして、何度かネパール側のエヴェレストのベースキャンプ周辺も出かけましたが、また来月行ってこようかなと思っています。

—浦さんのようにエヴェレストが常に傍にある方から、よかったと言われていますが岡田さんいかがですか?

岡田:うれしいですね。この世代の山屋さんは素敵なんですよ。超人ですからね。あの時代に山に登られていた方というのは、本当に国の威信を賭けてという感じで色んな山を制覇してきた方たちなんです。装備も今とは違う(充分ではない)中、ガツガツ行かれるんです。いっしょに歩いたら置いて行かれるくらいの早さで歩かれると思います(笑)。

—浦さんはどんなところにエヴェレストの魅力を感じていらっしゃいますか?

浦:何と言っても、世界最高峰。それのみです。

岡田:カッコイイですね。「世界最高峰です。それのみです。」僕も使います(笑)

—それでは、今日はお二人が福岡に来てくださった記念に感謝状の授与をさせていただきたいと思います。代表して、岡田さんに受け取っていただけたらと思います。

◆感謝状授与

浦:感謝状 映画『エヴェレスト 神々の山嶺』。この作品は、世界最高峰エヴェレストへの挑戦に挑む男たちの熱い想いを描き、日本映画史上初、標高5200mでの撮影を敢行し、山岳界に新たな革命をもたらしました。素晴らしい映像美で、山の魅力を存分に伝えて頂き、福岡市民の山への関心が向上したことを、深く感謝の意を表します。

—感謝状を受け取って岡田さんいかがですか?

岡田:すごくうれしいです。僕も山が好きなので、九州の山にも来たいなと思っていますし、ぜひみなさんにもこの映画を観て、山が好きになるかというのは、僕は何とも言えないですけど(笑)あまりにも過酷過ぎる山かもしれませんが、でもみなさんに少しでも山が好きだと思って頂けたらうれしいです。

—九州・福岡で岡田さんにお勧めする山は、どこがいいと思われますか?

浦:まずは、宝満山です。そこからスタートするのがいいと思います。

岡田:何メートルですか?

浦:830m です。

岡田:800 ですか?わかりました(笑)

—最後に、これから観るみなさんにメッセージをお願いします。

平山:僕らが撮影を終えて、日本に帰ってきてからネパールの大地震がありました。撮影で色々協力して頂いたネパールのスタッフたちが、罹災されたり大変な目に遭っています。この映画のテーマに“想う”というキーワードがあるんですけど、映画に参加したスタッフ・キャストみんなの想いが、みなさんに届けられたらうれしいです。それから、この映画は全カット(代役無しで)岡田准一さんと阿部寛さんが演じていることを、頭の隅に置いておいてください。よろしくお願いします。

岡田:この映画は、自分はカメラや登山というのを趣味でやっていて、この映画に出会うために、それらに惹かれてやっていたのかなと思うような、出会いのある作品でした。阿部寛さんや尾野真千子さんを始め、たくさんのスタッフやキャストと魂をぶつけ合いながら、現場で撮影をしてきました。その魂のぶつかり合い、熱い台詞もたくさん出てきますので、じっくり観ていただけたらうれしいです。よろしくお願いします。

映画『エヴェレスト 神々の山嶺』は、3月12日(土)全国ロードショーより全国公開!
詳細は、映画『エヴェレスト 神々の山嶺』公式サイト

【0218(木)AM10時解禁】エヴェレスト1
出演:岡田准一 阿部寛 尾野真千子
ピエール瀧 甲本雅裕 風間俊介
テインレィ・ロンドゥップ 佐々木蔵之介ほか
監督:平山秀幸
脚本:加藤正人 音楽:加古隆
原作:夢枕獏「神々の山嶺」(角川文庫・集英社文庫)
配給:東宝、アスミック・エース
(C)2016『エヴェレスト 神々の山嶺』製作委員会

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