イントキシケイト・プレゼンツ『パコ・デ・ルシア 灼熱のギタリスト』特別試写会に、セクシースーパーギタリスト・モト冬樹登壇!

6月29日、東京・渋谷 映画美学校試写室にて、7 月 23 日(土)より Bunkamuraル・シネマ他 全国順次ロードショー天才ギタリスト、パコ・デ・ルシアの軌跡をたどる、音楽ドキュメンタリー映画『パコ・デ・ルシア 灼熱のギタリスト』の特別試写会が開催され、ビジーフォーでのモノマネ、『ヅラ刑事』主演、異名・日本のニコラス・ケイジをもち、そして今や良き家庭人・・・様々な顔を持つ男。セクシースーパーギタリスト・モト冬樹が、ギター片手に登場!フラメンコの巨匠・パコについて語った。MCは、音楽ライター・佐藤由美が務めた。

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ギター1本で登場したモト冬樹。「『パコ・デ・ルシア』の映画に俺が来ちゃったら、『タコ』になるよね。」と開口一番に会場を笑わせ、その後、会場からのリクエストで1曲、見事なギタープレイでかき鳴らすも「おまえを嫁、もらう前に言っておきたい『ハゲ』がある♪ってこれだけなんですけどね。」と得意のモノマネとギャグを披露。期待を裏切らないオープニングに会場から大きな拍手と笑い声がおこる和やかなオープニングとなった。

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モトは、「『パコ・デ・ルシア』が自分より1つ年上である事に触れ、いい男ですよねー」と感嘆。「日本で禿げてると面白がるのは東南アジアだけですね。意外と海外ではそうでもなくて、北欧のスロバキアなんかに行くと、空港で見ていると半分以上がハゲでしたね。全然、目立たないですね。若者もスキンヘッドにしてますしね。」と『パコ・デ・ルシア』のセクシーな魅力について語った。

映画を観た感想をたずねられたモトは、『ジョン・マクラフリン』と一緒にやっているので名前は知っていたが、今回この映画を観て『パコ・デ・ルシア』をこんなにハッキリ彼を観たのは初めてで勉強になったし、感動したと本作を絶賛!

同じギタリストとしての招待に「僕なんかなんちゃってギタリストみたいなもんですから、高校時代毎日5時間ギターの練習をしていたのですよ。その貯金で食べてるんです。ギタリストの渡辺香津美くんとも仲がいいんです。彼なんかはそれからもずーっと練習している。彼みたいな人が、こういう世界的な人になるんだなぁって実感しましたね。」と自身のギタリストとしてのルーツも披露。

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「みなさんの期待に自分が応えないといけないので、劇中で『パコ・デ・ルシア』もコンサートの前にめちゃくちゃ練習するじゃないですか。あぁいうの観ていると、やっぱりすごいなぁと思いました。後、ビデオを撮られていると上手く弾けないというところだけは、一緒だと思いましたね。」と『パコ・デ・ルシア』のプロとしての気概に深く感銘をした様子。

また、本作では、公演前の楽屋風景などは、アーティストの場合、本来撮影許可がおりないのだが、監督が『パコ・デ・ルシア』息子だけに、普通では観られない光景や気を許している様子が類を見ない作品。

モトはそこに触れ「音楽に自分の気持ちや生い立ちを吐き出している気がする。テクニックは超絶なんですけど、それを利用して「俺凄いテクニックだろ?」とかそういう次元を根本的に超えているんですね。俺がいちばん驚いたのは、彼にとってフラメンコは土着の音楽で、日本で言えば民謡ですよね。その人がその枠にはまり切らなくて音楽として世界に出て行っているっていうのが、どんだけ凄い人なんだとこの作品を観ると実感しますね。」と興奮気味に語った。

「僕は昔、『THE夜もヒッパレ』という番組をやっておりましてジプシー・キングというバンドが来まして、一緒に演奏した時があったんですよね。そしたら譜面みたら Xタイムって書いてあるんですね。土着の音楽って、そういう音楽っていうのは、枠ににはまってるものではないという凄さだったりするんですね。それを否定する大御所のような人も出てくるんだけど、結果としてそれも実力でねじ伏せていくんだよね。観ていて感激しましたね!」と熱く語った。

フラメンコ界では、『パコ・デ・ルシア以前』、『パコ・デ・ルシア以降』という言葉があるくらい、フラメンコの世界では革命的な存在である『パコ・デ・ルシア』。彼自身は、非ジプシーであるパジョであったことで、逆に、ジプシーにしかできないだろうという暗黙のうちの了解があり、決して順風満帆ではなかったギタリストとして生涯を本作によって強く印象づけられた様子であった。

また、「ショックだったのは、ギターというのが下層階級の最低の仕事みたいな、歌があってギターがその付属品みたいな位置付けで、そこからコツコツと登りつとめるというのは凄いことですよね。歌手がフラメンコのメインであって俺なんかが歌手より有名になっていいのかと」とその謙虚さ、おかれている環境の厳しさに感嘆。その厳しい環境下にありながら頂点を極めた『パコ・デ・ルシア』の音楽に「やはりそういった音楽は強いですね。彼は生まれもった才能がある。リズムが本当に正確なんです。普通、土着の音楽だとそういう事に無頓着かと思っていたんですよ。でも、彼はそんなリズムを大切にしていてだからこそ世界に出て行けたんですよ。」と感心しかり。

ちょっとジプシーっぽいものを喜ぶ人は、尺の長さは、もう少し自由であってもいいのではないかと言いがちなところ、劇中での『パコ・デ・ルシア』はリズムに対しては鬼のような厳しさを持っており、自分もリズムには自信があったと語る。これにはモトも「一流の証拠ですよ」と太鼓判を押した。

若かりし『パコ・デ・ルシア』のセクシーさにほれぼれのモトに、「モテたんじゃないですか?」との質問には、「グループサウンズとかやってた時は僕もロングヘアーだったんですよ。今でも伸ばそうと思ったらできるんですよ。でも、やったら晒し首か弁髪みたいになるから。」とジョークも交え会場を笑わせた。

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また、音楽通のイントキシケイト読者向けの通の映画の楽しみ方として、映画中で、テレビ番組の取材シーンで、インタビュアーが「左手と右手でどちらが大事ですか?」と聞くシーンがあり、『パコ・デ・ルシア』がそれは左手だと答えるシーンがあり、右手は動かしているだけで左手がコードを刻むと答えるシーンがある。そこは、当時の政治情勢を皮肉ったもので、それが全国放送で流れ、一年間の活動禁止を余儀なくされたという貴重なシーンなども盛り込まれている点などが佐藤より解説された。

最後にモトは、本作の魅力について「この映画は、音楽に興味がある方もない方も楽しめる映画思いますね。息子さんが撮っているので、ところどこに本音が出ている」とみどころポイントを語り、温かい拍手の中、トークイベントは終了した。

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『パコ・デ・ルシア 灼熱のギタリスト』は、7/23(土)より、Bunkamuraル・シネマ他 全国順次ロードショー!
詳細は、映画『パコ・デ・ルシア 灼熱のギタリスト』公式サイトへ

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監督:クーロ・サンチェス
出演:パコ・デ・ルシア、チック・コリア、カルロス・サンタナ、ジョン・マクラフリン
日本語字幕:原田りえ
配給:RESPECT(レスぺ)
後援:スペイン大使館  セルバンテス文館センター東京 一般社団法人 日本フラメンコ協会  公益財団法人 日本スペイン協会
© Ziggurat Films

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