映画『関ヶ原』 岡田准一×役所広司×有村架純 出演、原田眞人(監督・脚本) で2017年初秋公開決定!

累計発行部数580万部以上、歴史小説の大家・司馬遼太郎が戦国史上最大の合戦・関ヶ原の戦いを描いた大ベストセラー「関ヶ原」(新潮文庫刊)の映画製作が決定。東宝=アスミック・エース共同配給で2017年初秋公開されることが明らかになった。

監督・脚本は『日本のいちばん長い日』『わが母の記』の原田眞人。己の「正義」を強く信じ、愛を貫き通そうとした“純粋すぎる武将石田三成を原田監督作品には初参加となる岡田准一、三成と相対する徳川家康には、原田監督作品の常連でもある役所広司が、三成の下で忍びとして、また女性として支え続ける初芽(はつめ)を本格時代劇初の有村架純が、殺陣などのアクションにも初挑戦。日本映画界を代表する名匠とキャストたちが、天下分け目の超決戦に挑む。

撮影は8月中旬より約2か月半、滋賀・京都などを中心に、国宝級の歴史的建造物での映画初撮影も予定。また、天下分け目の決戦を描くために、約3,000人規模のエキストラも参加しての非常に迫力のある撮影となる予定。

本日の発表に際し、監督、キャストから発表のコメントは以下のとおり。

◆監督:原田眞人

なぜ、今「関ヶ原」か?
二十五年前、司馬遼太郎原作「関ヶ原」の映画化を熱望したことがあります。その時の心境は、単純に言えば、日本の歴史上、もっとも有名な「天下分け目の合戦」を日本映画の巨匠たちが描かなかった不思議への挑戦です。主役は島左近でした。原作の第一主役石田三成でもなく、第二主役徳川家康でもなく、第三の男である雇われ武将島左近の、最後の戦場としての関ヶ原に、強く惹かれたのです。

十八年前、「関ヶ原」を考えたときは司馬史観からは離れ、通説の「裏切り者」である小早川秀秋が主役でした。調べれば調べるほど、関ヶ原に於ける最年少武将19歳の秀秋の決断は裏切りではなく、年月をかけた豊臣の権威への「復讐」に違いないと思うに至ったからです。「徳川史観」は無論、勝者に都合のよい歴史書であり、多くの作家たちの秀秋軽視論の背景には若さへの侮りがあるのではないか、とも思えました。

その五年後、「ラスト サムライ」に出演することで大掛かりな合戦シーンを目の当たりにして、また新たな「関ヶ原」の構想が湧きました。

この時の主役は、島津維新入道。つまり、島津の退け口、と呼ばれる退却戦です。関ヶ原の戦場で、戦いの帰趨が決まるまで三成に味方することのなかった頑迷薩摩勢が、敗戦の途端、敵陣に向かって退却行を始め、合戦当初1500名いた将兵が、二週間後、故国にたどり着いた時には僅か88名だった、という、世界戦史史上の最も勇壮な「愚行」です。

こういった紆余曲折、あるいは人生の試練を経て、私がたどり着いた「関ヶ原」は、結局、司馬遼太郎原作の石田三成でした。

司馬先生は、太閤秀吉が天下を取った術を、「利害を持って説くだけで、正邪ではなかった」とし、秀吉が「天下に号令して以来十三年、なるほど世に秩序はできたが、利害で固まった秩序だ」としています。三成はそこに育ててくれた秀吉のこしらえた「悪」を見出し、「正義か不正義かと判断して」兵をあげるのです。

島左近が三成の家老になるキーワードは、「天下悉く利に走るとき、ひとり逆しまに走るのは男として面白い仕事」の一点です。そして、この一言こそ、今を生きる我々の指標とすべき生き方ではないでしょうか。

天下悉く利に走るとき、理念をもって流れと逆しまに走ることは、男にも女にも面白い仕事、生きる道なのです。

国家の在り方が問われるこの不確かな時代を生き抜くために、我々にはもう一度、それぞれの立場で「正義」を問い直し実践する急務があります。

「人が国家を形づくり国民として団結するのは、人類として、個人として、人間として生きるためである。決して国民として生きるためでも何でもない」と言ったのは日本の自由主義者を代表するジャーナリストであり政治家であった石橋湛山です。リンカーン大統領とも通ずる「正義」の認識がそこにはありました。

今、三成の血を継承することの重要性を感じています。司馬遼太郎文学の素晴らしさは「正義の信奉者」のもたらすマイナス面も活写し、石田三成を偶像視していないところです。三成と敵対する徳川家康のリアリストの悪しき面と魅力も同時に捕えています。私の中にも60%の三成と、40%の家康が共存しています。そこに、「関ヶ原」を作る意義がある、と痛切に感じています。

「ラスト サムライ」を超える日本発の世界戦略時代劇を作りたい!という思いです。

正義とは一言で言えば、人間の価値です。

◆キャスト

岡田准一:石田三成 役
己の正義を強く信じ、愛を貫き通そうとした“純粋すぎる武将”

1980 年大阪府出身。
1995 年V6 のメンバーとしてデビュー。歌手活動以外にも、ドラマ・映画・バラエティなど多岐に渡って活躍。2002 年ドラマ「木更津キャッツアイ」が人気を集め、二度映画化される大ヒットを記録。その他、『SP 野望篇』・『SP 革命篇』(10・11/波多野貴文監督)、『天地明察』(12/滝田洋二郎監督)、『図書館戦争』(13)、『図書館戦争 THE LAST MISSION』(15/共に佐藤信介監督)などで主演を務めそれぞれ大ヒットさせている。2013 年は『永遠の0』(山崎貴監督)で零戦搭
乗員・宮部久蔵を熱演、映画も興行収入 87 億円の大ヒットを記録。この作品で報知映画賞、日刊スポーツ映画大賞で主演男優賞を受賞した。さらに役所広司と初共演となった『蜩ノ記』(14/小泉堯史監督)の演技も認められ、第 38 回日本アカデミー賞において最優秀主演男優賞及び最優秀助演男優賞、話題賞俳優部門のトリプル受賞という快挙を達成。NHK 大河ドラマ「軍師官兵衛」にて主演の黒田官兵衛を力強く演じ、日本を代表する俳優として活躍している。近作に『エヴェレスト 神々の山嶺』(16/平山秀幸監督)、公開待機作に『海賊とよばれた男』(16/山崎貴監督)、『追憶』(17/降旗康男監督)がある。

≪コメント≫
日本で一番の大合戦「関ヶ原」が映画化されることを僕自身、今から楽しみにしています。
歴史好きとして、本来の人物像に近いであろう「石田三成」を演じることができ嬉しく思います。
原田眞人監督のもと役所広司さん、有村架純さんを始めとするキャストの皆様、スタッフの皆様と
全力で撮影に挑みたいと思います。

役所広司 :徳川家康 役

豊臣秀吉亡き後、天下取りの野望に燃え、三成の前に立ちふさがる

1956 年、長崎県出身。
95 年『KAMIKAZE TAXI』で原田眞人監督作品に初出演。毎日映画コンクール主演男優賞を受賞。96 年『Shall we ダンス?』(周防正行監督)、『眠る男』(小栗康平監督)、『シャブ極道』(細野辰興監督)で 14 の国内映画賞にて主演男優賞を独占。また、東京国際映画祭主演男優賞を受賞した『CURE キュア』(97/黒沢清監督)他、国際映画祭参加作品への出演も多く、『SAYURI』(05/ロブ・マーシャル監督)、『バベル』(06/アレハンドロ・G・イニャリトゥ監督)では国際的にも高い評価を受ける。2009 年には主演作『ガマの油』で初監督。原田作品には『KAMIKAZE TAXI』(95)、『金融腐蝕列島呪縛』(99)、『突入せよ!「あさま山荘」事件』(02)、『わが母の記』(12)、『日本のいちばん長い日』(15)に続き 6 本目の出演となる。12 年、紫綬褒章を受章。近作は『バケモノの子』(15/細田守監督)がある。

≪コメント≫
信長、秀吉など、数々の戦国武将の成功と失敗を間近に見て学んできた家康が、人生最大の大博打「関ケ原の戦い」に挑み、勝利するまでの心の動き、今からワクワクしています。

有村架純 :初芽(はつめ) 役

部下として、女性として、三成を愛し支え続けた伊賀の忍び

1993 年生まれ。兵庫県出身。
2010 年に女優デビュー。主な出演作は、ドラマでは、NHK 連続テレビ小説「あまちゃん」(13/NHK)、主演を果たした「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」(16/CX)、映画では、『阪急電車~片道 15 分の奇跡~』(11/三宅喜重監督)、『JUDGE/ジャッジ』(13/古波津陽監督)、『女子―ズ』(14/福田雄一監督)、『思い出のマーニー』(14/米林宏昌監督)、『ストロボ・エッジ』(15/廣木隆一監督)など。『映画 ビリギャル』(15/土井裕泰監督)で、第 58 回ブルーリボン賞主演女優賞、第 39 回 日本アカデミー賞優秀主演女優賞、新人俳優賞をダブル受賞した。2016 年は、『僕だけがいない街』(平川雄一郎監督)、『アイアムアヒーロー』(佐藤信介監督)、『夏美のホタル』(廣木隆一監督)、『何者』(三浦大輔監督)が公開。また、2017 年には NHK朝の連続テレビ小説「ひよっこ」の主演を務め、映画では『3 月のライオン』(大友啓史監督)、『ナラタージュ』(行定勲監督)の公開が控えている。

≪コメント≫
この度、初の時代劇に挑戦させていただくことになりました。言葉や所作、アクション、一から覚える事がたくさんありますが出演されるキャストの方々のお芝居を見て勉強しながら、その時代を生きた人物として、石田三成の腰元として女を忘れしっかりと役目を果たしたいなと思います。精一杯頑張ります!

原作 司馬遼太郎『関ヶ原』(新潮文庫刊)

『関ヶ原』_原作書影

1923 年大阪市生まれ。大阪外語学校蒙古学科卒。産経新聞文化部に勤めていた 1960 年、「梟の城」で直木賞受賞。

以後、歴史小説を一新する話題作を続々と発表。1966 年に「竜馬がゆく」「国盗り物語」で菊地寛賞を受賞したのをはじめ、数々の賞を受賞。1993 年には文化勲章を受章。“司馬史観”とよばれる自在で明晰な歴史の見方が絶大な信頼をあつめるなか、1971 年開始の「街道をゆく」などの連載半ばにして急逝。享年 72 歳。「司馬遼太郎全集」(全 68 巻)がある。

司馬遼太郎「関ヶ原」(上)(中)(下) 新潮文庫刊 ※司馬遼太郎先生の「遼」の字は、しんにょう に二点が正式表記となります。

『関ヶ原』ストーリー

西暦 1600 年 10 月 21 日。長く混迷を極めた戦国時代に終止符を打ち、その後の日本の支配者を決定づけた、戦国史上最大の天下分け目の決戦“関ヶ原の戦い”。その決着に要した時間はたったの 6 時間だった。豊臣家への忠義から立ちあがり、史上最大の合戦に挑んだ石田三成。権力に燃え、天下取りの私欲のために戦う徳川家康。圧倒的に有利と言われた三成率いる西軍はなぜ負けたのか? そこには “封印”された真実が隠されていた! そして、三成を命を懸けて守り、愛し続けた忍び・初芽との許されない、淡い“恋”の行方は・・・。様々な権謀が渦巻く中、多勢に流されず 己の「愛」と「正義」を信じ、貫き通そうとした“純粋すぎる武将”三成を中心に、「愛」と「野望」の激突が、今幕を開ける!!

映画『関ヶ原』

出演:岡田准一 有村架純/役所広司

監督・脚本:原田眞人

原作:司馬遼太郎「関ヶ原」(新潮文庫刊)

製作:「関ヶ原」製作委員会

製作プロダクション:東宝映画/ジャンゴフィルム

配給:東宝 アスミック・エース

公式 HP:http://HP:http://sekigahara-movie.com/

©2017「関ヶ原」製作委員会

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