作 ウィリアム・シェイクスピア 翻訳 小田島雄志 上演 台本・演出 古城十忍 舞台『男女逆転〈マクベス〉』出演 関谷美香子さん・奥村洋治さん・有希九美さん インタビュー!
2019年6月20日(月)~30日(日)東京・赤坂RED/THEATERにてワンツーワークスが、舞台「男女逆転〈マクベス〉」を上演します。
ワンツーワークスは、劇作家・演出家の古城十忍さんが、熊本日日新聞政治経済部記者を経て1986年、劇団一跡二跳として旗揚げ(2007年解散)。さまざまな社会問題をジャーナリスティックな視点から描いた作品を数多く発表。
05年に文化庁新進芸術家派遣でロンドンおよびダンディ(スコットランド)に留学。帰国後は実際のインタビューに基づいて「ドキュメンタリー・シアター」の上演にも精力的で、07年には「自殺」をテーマにした日本初のオリジナル・ドキュメンタリー・シアター『誰も見たことのない場所』を発表。09年には、フレキシブルな演劇創造集団としてワンツーワークスを始動。現在、(社)日本劇団協議会常務理事、新国立劇場演劇研修所講師としても活躍中。
そんな古城十忍さんが新時代の令和元年、シェイクスピアの傑作悲劇「マクベス」を男女逆転で描きます。『女性が輝く時代』ついに到来?それとも・・・。
PRE☆STAGEでは、舞台『男女逆転〈マクベス〉』マクベス役:関谷美香子さん、マクベス夫人役:奥村洋治さん、そして、ダンカン女王役:有希九美さんにお話を伺いました。
◆◆ マクベス役:関谷美香子さん・マクベス夫人役:奥村洋治さん ◆◆
—男女逆転『マクベス』の台本を読んだ時のご感想は?
マクベス役:関谷美香子さん
私は、『マクベス』という作品は、他のところでやった事があって、ストーリーもどんな役かもわかっていたので、自分がマクベスをやる事になって、まず、一番気になったのは言葉をどうするのかということでした。
第一稿は、男性言葉が多少女性言葉になっているところはあったのですが、わりとそのままだったので、「それを今回の作品としてどうしていくのだろうか?」というのが自分の印象でした。そこを演出家と話して、「どこまで女性言葉に変えていくのか?」、「どこまで女性らしくすればいいのか?」ということを試行錯誤しながら進めています。
マクベスという役については、本当は、凄く強くて正義感もある人と思うのですが、狡い面や怖い面も沢山ある人物なので演じる上で重心をどこに持っていくかによって、どうとでも演じられる役だなと言うのが第一印象でした。
マクベス夫人役:奥村洋治さん
僕もストーリーの方は、もちろん知っていたのですが、やはりマクベスに注目していて、いかに彼が残忍で、そして最後はこうなる・・・みたいなところは凄く覚えているのですが、原作の中のマクベス夫人を男としてやるという逆転を「こりゃどうする?!」と。あまり考えたことがなかったので、凄く新鮮だなぁと思いました。
大体原作どおり話は進んでいくのですが、「殺されたのか?この屋敷で?」っていう有名なシーンがあって、その後、マクベス夫人が倒れるんですよ。(笑)よよって倒れるべきなのか、原作どおりにバタッと倒れるべきなのか・・・男としてどう倒れるかの理由をつかまえないと、めちゃめちゃおかしい話になるぞというのが第一印象でしたね。
—男性が演じる女性だけに、そこはかなりの見どころで注目を浴びるシーンになりますよね。
マクベス役:関谷美香子さん
男性が倒れるって言うのはね。
マクベス夫人役:奥村洋治さん
あんまりハードルあげないで下さい頼みますよ!(笑)
マクベス役:関谷美香子さん
存在が、コメディーですからね。(一同爆笑)
マクベス夫人役:奥村洋治さん
シェイクスピアの作品自体が、大真面目に読むと真面目にも読めるんですけど、「なんでそこで大げさ?」って大真面目過ぎて笑えちゃうところありますからね。「どのテイストで行く?」みたいなところが今回の舞台の楽しみでもありますね。今回私は、男女逆転になるという事もあって、殺し殺される世界で女が権力を持っているわけで、女性の中で本気に殺しに行く気持ちを本気で見せてくれないと成り立たないじゃないですか。本気の殺意が出た上での「おかしさ」とか「なんと大げさな!」という事が大事だと思うんですよ。
マクベス役:関谷美香子さん
そこが一番難しいところだと思うんですよ。原作通りに剣で戦う時に、男女逆転だとどういう闘いになるだろうかっていう疑問もあるんですよ。普通に女同士が闘うとしたらもっと小狡いと思うんです。そして「男達は何をやってるんだ!」と(笑)。ひっくり返したことによるたくさんの疑問をどう解消していくのが難しいです。夫婦の関係も妻は守るべき存在というのが原作ですが、その妻が夫よりも強いところを見せてくのが面白いところなんでしょうけれど、実際の男女の関係で行くとこの夫は私にとって守るべき夫なのか頼っていい人なのかという関係性がまだまだ模索中ですね。
—夫婦のありようを今まさに作っているところなのですね。
マクベス夫人役:奥村洋治さん
ネタばれになるかもしれませんが、「この夫婦が凄く信頼しあっているからこそ起こった殺人なんだって言うところがあるんだ」と演出家の古城も言っていて、そこがポイントかなと思っています。
マクベス役:関谷美香子さん
あと原作だと魔女という役があるのですが、逆転なので本作では全員男性がやります!「魔の者」として女性であるマクベスを唆して行くという仕掛けになっています。また、そこも雰囲気が違っていると思います。
—役作りで苦労されているところはありますか?
マクベス役:関谷美香子さん
筋トレですね。みんなやってると思いますけど、筋トレやってどこまでできるのかっていうところもありますけれど、剣を振り回したりする時の殺陣の練習とかしてると、自分の身体のできてなさを実感させられることが多いです。
マクベス夫人役:奥村洋治さん
人を殺すという非日常の本気と言いますか、人を殺してしまった時の動揺や異様な興奮状態は、今まで演技をする上でやった事のない感情になると思うので、どのくらいそれが本気のリアルであるかに齢61にして初挑戦してみようかと思っています!
マクベス役:関谷美香子さん
殺意はマクベス夫人の方にありますからね。やるって気持ちをどんどん押してくるのは、むしろ夫人の方ですからね。
マクベス夫人役:奥村洋治さん
どういう思いで押すのかですよね。男の方がやれよと唆しているわけですからね。僕、唆される方は得意なんですけどね。(笑)
マクベス役:関谷美香子さん
「お前がやれよ!できるじゃん!」って(笑)
マクベス夫人役:奥村洋治さん
そこをどれだけリアルに持っていけるかでしょうね。そしてどう倒れるか。(一同爆笑)
—舞台「男女逆転 マクベス」を楽しみにされている方へのメッセージを!
マクベス役:関谷美香子さん
今まで、ワンツーワークスでやってきているものとは全く違うモチベーションの作品なので、出来る限り見たことない自分を出して行きたいと思います!お楽しみに!
マクベス夫人役:奥村洋治さん
女性の役者が多い中で、鼻の下を伸ばしているんじゃなくて、20数名いる中で、誰よりも強い殺意を感じてもらえるか頑張ります!
◆◆ ダンカン女王役:有希九美さん ◆◆
—役どころと意気込みをお願いします。
ダンカンというと作品をよくご存じの方は、「なんだ、すぐ死んじゃうじゃん!」って思う方もいるかもしれませんが、役作りとしては、「ダンカン女王殺されちゃって可哀そう・・・」と思っていただけるような凛とした女性を演じさせていただこうと思います。
今回、二役演じさせていただける事になりまして、5幕にまた別の将軍役で出てきます。娘も剣が強い重鎮で、ダンカンの娘マルカムも頼りにしている人物です。
「1幕で死んじゃった人がまた出てるじゃん!」と思われてはいけませんので、現役感のある役と重鎮の役を演じ分けていきたいと思っていますが、どちらも自分が闘わないで、命令する役で殺陣やらない役なんですよ。残念(笑)。幼い頃からチャンバラは好きだったのですがね〜(笑)。
今回、未成年の出演者もいて、自分も10代の演劇少女に戻った気持ちで頑張ってます!
マクベスの魅力としては、悲劇であり喜劇なところではないかと思います。誰でもちょっと突っつかれると「そりゃそうよ。私だって女王になりたいわよ。」というようなところはみんなあると思うんです。でも、それを隠してみんなと仲良く平和に生きていこうとする。そこを突っつかれて抉られて、、、唆されてその気になって・・・結果生きていく人、死んでしまう人に分かれていくわけですが、、それを社会派で硬派で知られる古城さんがシェイクスピア、しかも男女逆転を どう料理するか! 面白さも2倍・3倍ではないかと思います。みなさんも是非楽しみに劇場に足を運んで下さい!
舞台『男女逆転〈マクベス〉』は、2019年6月20日(月)~30日(日)東京・赤坂RED/THEATERにて、全13公演。
THEATERにて、全13公演。
☆公演情報☆
ワンツーワークス #28『男女逆転<マクベス>』
[作]ウィリアム・シェイクスピア
[翻訳]小田島雄志
[上演台本・演出]古城十忍
2019年6月20日(木)~30日(日) 赤坂RED/THEATER
マクベスも、バンクォーも、マクダフも、マルカムも、全員が女。
女たちが血で血を洗う、女たちの果てなき闘いが幕を開ける。
女たちは闘う。何のために? 誰のために? 何を求めて?
総勢27人、「男女逆転」で贈るシェイクスピアの傑作悲劇。
主要登場人物の性別を逆転させて、W・シェイクスピアの『マクベス』を上演します。性別逆転により、「#MeToo」「Time’s Up」などの運動で注目された「女性の人権尊重、権利拡大」を目指す「女たちの権力闘争のドラマ」として、今の時代を映したエンターテインメント性の高い作品を目指します。
【あらすじ】
女将軍マクベスは闘いに勝利し自陣に戻る途中、荒野で悪の者たちに出会い、「マクベスはいずれ女王となる」という予言を聞く。帰宅すると夫からも叱咤激励され、ついにはダンカン王の暗殺を成し遂げる。その2人の王女、マルカムとドナルベーンは身の危険を感じて国外へ逃亡。マクベスは晴れて玉座に就く。だが、自身の地位を守れるのか不安に駆られたマクベスは同志・バンクォーを暗殺。さらにマクダフが亡命すると、その夫と子どもをも殺害させる。一方、イングランドではそのマクダフと王女マルカムがマクベス討伐を画策。ついに「反マクベス」の軍が動き出す。この動きを察したマクベスは闘いに意欲を見せるが、味方の兵は次々に寝返り、マクベスの夫は「暗殺の当事者」となったことで精神を病み、ついには狂死する。そして決戦の火蓋は切られ、マクダフはマクベスの首を討ち取り、王女マルカムが新女王に即位、新たな時代の到来を高らかに宣言する。
【キャスト】
関谷美香子、奥村洋治、山下夕佳、増田 和、原田佳世子、小山広寿、成生隆倫
(以上、ワンツーワークス)
武田竹美/小山萌子(エンパシィ)/北澤小枝子(HANATOMO演仕屋)/高畑こと美/
田名瀬偉年(劇団時間制作)/村岡哲至(ビクターミュージックアーツ) /
内藤ぶり(オフィス鹿)/長尾友里花(柿喰う客)/秋枝明日香/
細田知栄子(劇団朋友)/東 史子(劇団ポプラ)/烏田鈴渚/
上脇結(スタッフ・ワン)/石川亜子/梅本伊代(劇団夢幻) /
門田かおり(東京ドラマハウス)/広瀬 彩(オフィス・エイツー) /
山下雷舞(劇団(null))/有希九美
【主なスタッフ】
[美術]礒田ヒロシ [照明]磯野眞也(アイズ) [音響]黒澤靖博
[舞台監督]尾崎 裕 [衣装]友好まり子 [衣装製作]藤木智美
[大道具]イトウ舞台工房
[イラスト]古川タク [デザイン]西 英一 [スチール]富岡甲之
[舞台写真]黒木朋子 [票券]川井麻貴 シーボーズ
[制作]藤川けい子 [製作]㈱オフィス ワン・ツー
■料金(全席指定・税込み)
チケット発売日:2019年4月19日(金)
前売:4,800円/当日:5,000円/学生:3,000円/高校生以下:2,000円
初日割(前売りのみ):4,000円
*「初日割」チケットは、6月20日(木)の回のみ。
*「学生及び高校生以下」チケットはシーボーズでの取り扱いのみ。当日、会場で学生証の提示が必要です。
*受付開始および当日券販売開始は開演の1時間前、開場は30分前です。
*10歳未満の児童はご入場いただけません。
■チケット取り扱い
シーボーズ TEL&FAX 03-3635-8686
チケットぴあ 0570-02-9999 http://w.pia.jp/t/onetwo-works/
Confetti(カンフェティ) WEB予約 http://confetti-web.com/onetwo-w28/
電話予約 0120-240-540(平日10:00~18:00)
カルテット https://www.quartet-online.net/ticket/onetwo-w28
*アフターイベント、あります!
21日(金) | 公開ダメ出し「ガチでやります!!」 | 出演者の誰か×古城十忍 |
22日(土) | 出演者トーク「私たちのマクベス①」 | 武田竹美×高畑こと美×広瀬彩×関谷美香子 |
24日(月) | ★スペシャル対談「私的シェイクスピア」 | 小田島恒志(翻訳家)×古城十忍 |
25日(火) | 出演者トーク「私たちのマクベス②」 | 有希九美×山下夕佳×門田かおり×奥村洋治 |
26日(水) | 出演者トーク「私たちのマクベス③」 | 小山萌子×北澤小枝子×関谷美香子 |
27日(木) | 出演者トーク「俺たちのマクベス」 | 山下雷舞×村岡哲至×田名瀬偉年×奥村洋治 |
28日(金) | バックステージ・ツアー 「舞台からの眺め」 | 案内人:奥村洋治+小山広寿 |
[劇場]赤坂レッドシアター
〒107-0052 東京都港区赤坂3-10-9 赤坂グランベルホテルB2F
TEL:03-5575-3474(事務所) TEL:03-5575-7132(ロビー直通・公演中のみ)
■お問い合わせ
ワンツーワークス http://www.onetwo-works.jp
〒166-0004 東京都杉並区阿佐谷南1-8-3 佐保会東京会館101
tel:03-5929-9130 fax:03-5929-9131
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
この記事へのコメントはありません。