岡本貴也さんインタビュー 第2回 「阪神・淡路大震災20年 ドラマ『二十歳と一匹』 について」

岡本貴也さんインタビュー 第2回は、1月17日(土)NHK総合 にて放送 
「阪神・淡路大震災20年 ドラマ『二十歳と一匹』について」

また、岡本貴也さんの作品原点とも言える【舞台|阪神・淡路大震災】上演に対する
当時の想いを振り返っていただきました。

—去年は、映画「想いのこし」の公開もありましたが、
ご自分で演出される場合と、脚本提供で、作品として仕上がりを託す場合では、
作品づくりとして、特に気を使われている部分はありますか?


脚本提供する場合は、誤解を減らすためにト書きを多めに書きます。
自分で演出する場合は(作家の目線をできるだけ排除するために)ト書きをほとんど書きません。

昔は思い通りに演出されてなくてがっかりすることが多かったですが、
「想いのこし」「二十歳と一匹」は、自分の脚本以上の作品に仕上げていただき、感動の嵐でした。
今思えば、きっと昔は脚本がかなり下手くそだったのでしょうね……。ほんとごめんなさい。

—ドラマ『二十歳と一匹』では、あまり暗くならないように、
震災当時の描写は朗読にされたとのことでしたが、それは、辛いご経験からですか?
それとも助かった今を大切に生きるという意味からですか?


朗読ではなく語りです。
1月17日にテレビを観て、わざわざ震災の映像なんか観たくないなあと私自身も思ったし、
なにより小林薫さんの演技力を信頼しきっているので、わざわざ映像をインサートする必要もないなあと。

それに瓦礫のシーンを撮るだけで相当お金が掛かるので、
そこに予算を掛けるくらいなら、他のシーンに回してほしいなと(笑)。

—ドラマ『二十歳と一匹』O.A前に、【舞台|阪神・淡路大震災】を
動画配信されたりというご計画はないのでしょうか。


記録映像がどこに行ったのか分かりません(笑)。
10年前にYahoo!で配信したときはしばらくずっと1位でしたが……。
再演はしたいなとずっと思っています。

—試写をご家族と一緒にごらんになって、号泣されたそうですが、
感無量の涙なのか、登場人物の気持ちがせまってくるものがあってですか?


まず作品の仕上がりが素晴らしいと、内容に関係なくいつも泣いてしまいます(笑)。
今回は特に、神戸の全壊した(建て直した)実家で、被災した両親と、
そして愛犬と一緒に観たので、余計に泣けてしまいました。

震災の思い出を語る小林薫さんのシーンなどは、
家族全員、水を打ったかのように静かに見入っていました。

親の顔をふり返ることはできませんでしたが、もしかしたら泣いていたのかもしれません。
そんな空気でした。元旦から(笑)。

—災害の舞台を世になげかけられた時は、もし、人為的にさけれられるのであれば、
二度と繰り返さないようにと啓蒙や伝承を込めた部分からだったのですか?


あの舞台はまずは、東京の被災地に対する無理解への「怒り」から始まっていたかと思います。
私も若かったし、この国の災害に対する考え方も成熟していなかったし。

演劇は啓蒙するものでないので、その意図はなかったかなと思います。

ただ伝えたかった。
メディアでは伝わらない何かを、生身の人間の力を使って伝えたかったんです。

そして演劇の可能性や限界を知りたかったんだと思います。
災害そのものよりも、演劇とは何か、を表現してみたかったんだと思います。

—プライベートでも愛犬不二子さんとお住まいかと思いますが、
この作品(ドラマ『二十歳と一匹』)の誕生に、大きく影響を与えていますか?


もちろんです。私が演出する朗読劇「しっぽのなかまたち」でかなり犬につ
いては勉強しましたし、不二子を飼うときも相当犬について調べました。

NHKさんから企画の相談をいただいたとき、
「犬ネタで、阪神淡路大震災と言えば、私しかいません! 絶対に書かせて下さい」と強くお願いしました。
不二子には感謝しています。本人はのほほんとしてますが(笑)。

—「阪神・淡路大震災」以降に生まれた方に向けて、
このドラマで感じていただければと思う部分はありますか?


二十歳以下の人たちに何かを感じてもらうことがこの作品の狙いです。
あの震災は20年前ですので、今や歴史の一部です。1965年における太平洋戦争のようなもので、
教科書で学ぶレベルに風化しています。でも、それでいい。
今の二十歳の人たちが何かを無理に背負う必要はない。そう思って書きました。

3.11や他の災害が続く中、たまに主人公のような思いを抱く若者がいたっていいじゃないか
(実際に救助犬のNPOには若者が数名いました)という程度のことがやんわりと伝わればいいなと。
災害は避けられませんが、その時にどう行動するかが大事かなと。

—「阪神・淡路大震災」をリアルに体験された世代の方々にむけての想いもありますか?

もちろんあります。神戸の人たちはみんな普通に暮らしています。
元通り、お洒落な街になりました。
たまに神戸に帰っても震災の話を聞くことはもうほとんどありません。

それでも、みんなの心の中に澱のように悲しみが残っているのは感じます。
それをそっと微風のように撫でて、明日への希望に繋がればいいなと思って書き上げました。

—ドラマ『二十歳と一匹』の作品としてのみどころをお願いします。

菅田将暉さんの熱演。これに尽きます。
脚本段階で思い描いていた飄々としたキャラを見事に演じながらも、きちんと被災地の思いを背負ってらっしゃる。

小林薫さんも風吹ジュンさんも他の方々も皆、生半可でない思いを込めて演じてらっしゃいます。
台詞の空気や、間や、ふとした街の景色。そういう言葉にならないことまでもが一秒一秒積み重なり、
この作品を他にないものにしてくれています。

全国の方に観ていただきたい、大切な作品になりました。

あと、犬。
あの演技力、どうやったらあんなにしつけられるのか……。
うちの不二子も見習ってほしいところです(笑)。

阪神・淡路大震災20年 ドラマ『二十歳と一匹』は、
2015年1月17日(土)夜7時30分 NHK総合 にて放送 

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阪神・淡路大震災20年 ドラマ『二十歳と一匹』公式サイト
http://www.nhk.or.jp/drama/hatachi/

岡本貴也さんインタビューは、
舞台「悪」作・演出 岡本貴也による特別講座の後 おこなわれました。
インタビューは、最新作についてのお話を交え、計4回に渡って公開予定です。

舞台「悪」は、紀伊國屋ホールにて、
2015年1月28日(水)~2月8日(日) 全15公演
詳細は、舞台「悪」公式サイトへ
http://www.mmj-pro.co.jp/aku2015/

スパコミチラシ表A4_2

舞台「悪」
【作 ・演出】 岡本貴也
【出演】高岡奏輔 陳内将 西丸優子 川上ジュリア 青柳塁斗 羽場裕一

【公演日程】 2015年1月28日(水)~2月8日(日) 全15公演 :紀伊國屋ホール
1月28日(水)19:00~
1月29日(木)19:00~
1月30日(金)14:00~
1月31日(土)13:00~/18:00~
2月 1日(日)13:00~/18:00~
2月 2日(月)休演日
2月 3日(火)19:00~
2月 4日(水)14:00~/19:00~
2月 5日(木)19:00~
2月 6日(金)19:00~
2月 7日(土)13:00~/18:00~
2月 8日(日)14:00~

【チケット発売中】
●チケット料金:6,500円(税込・全席指定)
※未就学児童入場不可
◎チケットぴあ
●http://pia.jp/t/aku/ (PC/携帯/スマートフォン共通)
●チケットぴあ店舗、セブン-イレブン、サークルK・サンクスでも直接販売
●0570-02-9999(Pコード:440-666)
◎キノチケットカウンター
●店頭販売のみ 10:00~18:30(新宿東口・紀伊国屋書店新宿本店5F)
◎CNプレイガイド
http://www.cnplayguide.com/mmj/

【公式ホームページ】
http://www.mmj-pro.co.jp/aku2015/

■主催:MMJ
公演に関するお問合せ:
メディアミックス・ジャパン 03-6804-5456(平日12時~18時)

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