「生きてさえいれば、いいんだ!」と思える舞台に・・・!『喜劇 お染与太郎珍道中』三津谷 亮インタビュー

2月1日より、東京・新橋演舞場にて、『喜劇 お染与太郎珍道中』が開幕します。本作は、昭和 54 年(1979)3 月明治座にて『与太郎めおと旅』として初上演。作家の小野田勇 が稀代の喜劇俳優・三木のり平とタッグを組み、落語の噺を中心に、歌舞伎のエピソードも加えたドタバタ珍道中で好評を博しました。

本年の再演のW主演には、渡辺えりと八嶋智人を迎え、喜劇初共演の二人が、大店の箱入り娘お染と、ドジでおっちょこちょいな手代の与太郎を演じます。出演者には、太川陽介、宇梶剛士、石井愃一、深沢敦、春海四方、石橋直也、三津谷亮、有薗芳記、一色采子、広岡由里子、あめくみちこ、そして西岡德馬とテレビ、舞台でお馴染みの豪華実力派キャストで集結します。

PRE☆STAGEでは、山伏黒雲坊役の三津谷亮さんに、『喜劇 お染与太郎珍道中』出演に対する抱負、初の喜劇舞台への意気込みを伺いました。

—『喜劇 お染与太郎珍道中』の出演のオファーの時のご心境は?

三津谷 亮さん:僕の演じる山伏黒雲坊役は、前半に出てくる部分が、後半へのフックになっていて、この作品のスパイスになるような役どころになっています。

出演が決まった時には、「喜劇」って、喜びという字の通り本当に嬉しかったし喜びました!
実は、「喜劇」って初出演になります。

僕が、今まで出てきた作品って暗い作品が多かったりするんですよ。
例えば全員死んじゃうとか、自殺しちゃうとか死人が出る話が多いんですよ。(笑)
個人的には、そういう作品も大好きですよ。

僕は青森県出身で個人的な感覚ですが青森県人って、寒い国だからなのか、内気になりがちなんですよね。

育ってきた環境として、例えば吉本新喜劇さんとかの放送が青森はないんですよ。
だから、小さい頃から触れてきたバラエティーやエンターテイメントが、地元密着型なものが多くて「津軽弁と南部弁どっちが東京に通じるか?!」とか。

だから、今回の「喜劇」のお話をいただいた時は、「是非やりたい!」って思いました。新橋演舞場は、観に行った事はあるのですが、自分が舞台に立つ事は無縁なんだろうなぁ・・・って思っていたので、その歴史ある新橋演舞場に立てるチャンスを頂けたのはとても光栄です!しかも今回は2月11日、自分の33才の誕生日をこの作品の期間中に迎えられるので自分への最高のプレゼントだと思いました!

“初”の喜劇舞台で、“初”の新橋演舞場で、2021年“初”の舞台出演と、初が盛りだくさんになるので、「これは運命だ!」って、本当に喜んでいます。

—役作りとして意識して取り組まれていることはありますか?

三津谷 亮さん:台本を読んだ時に、僕自身が一人でただしゃべってるわけではなくて、兄貴的存在の相方がいて掛け合いが多いので相手の台詞のリズムも考えて含、そこまで固めずに、山伏黒雲坊が愛されるキャラクターだったらいいなぁって事を漠然と考えながら、後は、読み合わせや稽古の中で、血が流れている人を作れたらと思っています。

—石橋直也さんとは、お互いの役どころについてお話しされましたか?

三津谷 亮さん:実は、今回の舞台で面識があるのは、小番頭 庄助役の深沢敦さんだけで、他の共演者のみなさんとは、まだ、どなたもお会い出来ていません。

みなさん全員「初めまして!」状態なので、借りてきた猫状態にならないように、ちゃんとオープンにやっていけるようになりたいですね。(笑)

このコロナ禍でコミュニケーションを取るのも難しくなってしまい、例えば舞台を作っていく上で稽古後にみんなで飲みに行ったりとかも大事だと思うんです。そこで本音を聞けたりするんですよね。ただこの状況下でそうもいかないので、稽古の期間でみなさんの本音を聞きだして、自分自身もそこに飛び込んでいけるかはいい挑戦になるんじゃないかなと思います。

—今回の役どころについてのご自身の強味は?

三津谷 亮さん:共演者のみなさんが最強ですからね。僕の強味と言えば・・・弱いところを見せられるところじゃないですかね。プライドも、地位も名誉もない人間なので、弱さを見せられるところが強味なんじゃないですかね。年齢と共に、そうも言ってられない部分もありますが、僕の場合、わからない事は、「わらかないです」って言えるところはあります。

—渡辺えりさんは、山形県。三津谷さんは、青森ご出身で、同じ東北出身者として通じる部分は感じられますか

三津谷 亮さん:一緒なんて言ったら渡辺えりさんに失礼かもしれませんが、郷土愛ですね。先日、フジテレビの「なりゆき街道旅」に渡辺えりさんがご出演されていて、ご出身の山形のワインや、地元の名産を番組の節々にお話されているのを観て、地元に対する郷土愛、出身愛が一緒だなぁーって思いました。

僕も青森だから、他の県産よりも青森の林檎を食べて欲しいと思ったりします。青森は、八戸だけじゃないんだよ。他にも素晴らしいところがあるんだよ。美味しいB級グルメもあったりするんだよ!って知ってもらいたいっていう熱い出身地への郷土愛に、同じ東北出身者の奥羽越列藩同盟的な親しみを感じました。

—最後の舞台を楽しみにしていらっしゃるみなさんへメッセージを!

三津谷 亮さん:『喜劇 お染与太郎珍道中』は、涙あり、笑いありでみなさんにお届けできるのではないかと思っています。

昨年色んな事があって、今年はそれが報われる年であればいいなと思います。
今回の舞台はその気持ちを込めて行きますので、舞台を観に来ていただく時は辛い事は一回忘れて、その時間は一緒に楽しい時間を共有して、舞台を観終わった後に「楽しかった!」という気持ちと「これからも気をつけて生きていかなきゃ!」、そして、「生きてさえいれば、いいんだ!」って前向きな気持ちになれるよう、この作品を通して観客のみなさんに伝えていければと思っています。

『喜劇 お染与太郎珍道中』は、2 月 1 日(月)~17 日(水)まで東京・新橋演舞場、2 月 21 日(日)~27 日(土)まで京都・南座にて上演予定。詳細は、『喜劇 お染与太郎珍道中』松竹公式サイトへ

 

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