映画『新聞記者』公開記念沖縄シンポジウムに、望月衣塑子氏・前川喜平氏 登壇!

7日、映画『新聞記者』公開記念シンポジウム「官邸権力と報道メディアの現在」(主催:琉球新報社)が開催され、本作の原案となった「新聞記者」の著者である東京新聞記者の望月衣塑子氏、元文部科学事務次官の前川喜平氏が作品のテーマについて、在沖米軍基地を巡る問題など、フェイクニュースや報道と権力の在り方に問題意識の高い沖縄の皆さんに熱く語った。

当日、600 人収容の琉球新報ホールには来場者が続々と詰めかけ、開場 15 分前にはわずかに残っていた当日券も完売。会場に入れなかったお客様のために用意されたモニター前にも、50 人以上の人だかりができ、会場内・外ともに熱気に包まれる中、登壇した両名は大きな拍手に包まれた。司会の松元剛氏(琉球新報編集局長)から「今回のシンポジウムは、この国の報道と権力、民主主義を問い直す映画の完成を記念して開催されます。日本の民主主義が危機にあるといわれる中、映画を通して多くの人に権力とは、メディアの役割とは何かを考えてもらうことが目的です」と説明があり、映画の感想を問われると、望月氏は「既にこの映画を 3 回観ました。そして、観るたびに映画の完成度の高さを感じ、とんでもない映画がでてきたなと思いました。フィクションでありながら、ここ数年で実際に起きた数々の事件やそれに伴う疑惑を思い起こさせ、権力に対して我々メディアがそれにどう立ち向かうべきなのかをもう一度私自身が突き付けられました。エンターテインメント性は非常に高いのですが、日本の社会の中で民主主義がきちんと機能しているのか、民主主義とは何か、それに対しメディアはどう立ち向かうべきか、そして何より、同調圧力を強いる空気が強いられる今の社会の中で個人がどう個を確立させるかを問いかけるよい映画になったと思います」と熱く語った。前川氏は「この映画にはいろいろな役人が出てきますが、結構リアルだなと思いました。国に仕えているのに、上に従っていればいいという官僚が出てきますが、こういうのが一番まずい。“面従腹背”な人も出ています。私から見ても、自分に似ているなという人も出ています(笑)」と会場を沸かせた。

その後、話題は『権力とメディアの在り方について』に移ると、望月氏は菅官房長官の会見を巡る様々な出来事を振り返りながら、 政府がメディアをコントロールしようとするという出来事を通して、こういう時こそわたしたちメディアが会社の垣根を越えて、同じ志を持つ記者たちが連帯し、市民の皆様とどんどん横につながっていくことで、権力のメディアコントロールに対してしっかりと声をあげて、アクションしていくことが大事」だといい、さらには前回の沖縄県知事選におけるフェイクニュースに対して新聞報道が行ったファクトチェックに触れ、「自分たちメディアが、政府にとって都合のよい存在ではなく、権力の監視する側の役割を担っていくというのが、報道メディアの役割なんだということが
大切なんだなということを強く学びました」と熱く語ると、会場からは大きな拍手が起こった。その後、沖縄の米軍基地についての官邸権力と報道を巡る問題を通じて両氏の意見が語られ、大盛り上がりの中、シンポジウム第一部は終了した。

続く、第二部では、映画「新聞記者」の 10 分ほどのダイジェスト映像の上映が行われ、先に前川氏が語った「自分に似ているなと思う官僚」が登場すると会場は笑いの渦に。その後、事前に集めていた来場者からの質問コーナーでは、両氏ともに更に熱いトークを繰り広げ、各所で笑いと拍手が巻き起こる中、当初の予定より 30 分ほどオーバーのおよそ 3 時間にわたるシンポジウムは幕を閉じた。終了後も来場者の熱気はおさまらず、急きょ、両氏によるサイン会が開催され会場のホールには長蛇の列ができていた。

映画『新聞記者』は、6/28(金)新宿ピカデリー、イオンシネマほか全国公開!
詳細は、映画『新聞記者』公式サイトへ

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