「2Cheat」は福田転球が持つ“本来の面白さ”が魅力!舞台「2Cheat5」山内圭哉さん×福田転球さん 対談インタビュー

大河ドラマ「青天を衝け」岩倉具視役 山内圭哉、TBSドラマ「下町ロケット」月島尚人役 福田転球のユニット公演「2Cheat」が、9月7日(火)から東京公演を皮切りに、大阪、高知の三都市で2年ぶりに上演を迎える。

本公演は、関西小劇場界で20代の頃に出会った二人の原点である舞台上で、あえて台本のないフリースタイルに挑み「面白い」を客席と追及する90分。

PRE☆STAGEでは、開幕初日に向け舞台稽古に余念のない「2Cheat」のお二人に、舞台に対する抱負・意気込みを聞きました。

—「2Cheat」は、お二人のコントを楽しめる舞台と思ってよいでしょうか?

山内圭哉さん:基本ベースのストーリーがあって、その間に「ネタ」や「コント」が入ってくる形ですね。
初日があけると大体の内容は固まってくるのですが、全部が同じ内容というわけではないんです。
テーマなどは決めず、雑談しながらその時々で二人が面白いと思う事をお芝居にしていき、台本を作らずに舞台にのっけて行く感じですね。普段僕らは、お芝居という段取りや決まり事の中で心を動かして演じているのですけれども、「2Cheat」に関しては、それとは真逆で、決まり事を外して、お客さんのリアクションによって芝居を変えていくスタイルです。

—「2Cheat5」の5は公演回数なんですね。前回の4回目から、今年は、何年ぶりになられますか?

山内圭哉さん:2年ぶりですね。

福田転球さん:1回目をやってからは、17年になりますね。

—ロングランのシリーズ公演ですよね。回を重ねるごとにかなり進化されたのではないですか?

山内圭哉さん:1回目「2Cheat」は、僕が吉本興業と契約した時で、マネージャーから「自分の興行みたいなものをやってみないか」と言われて、それまではプレイヤーとしての経験しかなかったのですが、プロデューサーとして興行をやってみてくれというアイデアをもらったのがきっかけです。

それまで僕は役者で、作家でも演出家でもなかったので、全く興行への発想がなかったんですよ。

自分がやりたい事、やれる事って何かないだろうか・・・と考えた時に、楽屋や飲み屋でめちゃくちゃ面白かった福田転球さんをそのまま舞台で表現することを思いつきました。だから通常の演劇とは全く違うんです。

福田転球さんは台本がない方が面白いので、台本は作らないこの公演スタイルが決まっていきました。ありがたいことに、このシリーズをめちゃくちゃ面白がってくださるお客さんもいて、福田転球さんと『自由に遊ぶ場所』と思っていました。

最初「2Cheat」は、2、3と年に1回ぐらいはやろかと思っていたのですが、その後、お互いが段々とお芝居、そして映像の大きなお仕事もいただくようになってきて、表現をするものとして、改めて『自由に遊べる場所』というのは、ちゃんと持っておかなあかんなぁと思うようになりまして、前回、13年ぶりに再開したんですよ。

福田転球さん:二人で楽屋や飲み屋で笑ったことをそのまま舞台上で表現することは、当時は考えていなかったと思うんですけど、山内くんの話を聞いてそんな事ができるのであれば「やりたい!」って思いましたね。

山内くんは僕の事をよく周囲に宣伝してくれていて、『「2cheat」はあんたを売る為にやってるんや!』ってよく言うてくれてるんです。

僕にとっては自分の事なので、面白いかどうかはなかなか自分自身ではわからないところもあるのですが、「2Cheat」を観たディレクターやプロデューサーの方からお声をかけていただく事も多いみたいで、今の仕事にもつながっていると思います。

山内圭哉さん:転球さんの本来のポテンシャルを知っているから、台本にガチガチにとらわれて縛られている転球さんより、「2Cheat」の転球さんが一番面白いと思うんですよ。僕と転球さんは、結果として演劇がメインになっていますけど、最初のきっかけが役者を志して、役者になったというタイプではないんです。

最初に僕らが出会ったのは20代の頃で、もちろん関西の小劇場の演劇シーンではあったのですが、それで飯を食えるとは思ってなかったんですね。ただ、物凄く面白い人がたくさんいるという事が面白くて続けられていたから、この「2Cheat」で表現しているようなことをやりたいと思ったんですよ!
僕は、自由で人を笑わせることに必死になっている転球さんの事を知っているから、「2 Cheat」の転球さんが一番好きですね。

福田転球さん:僕は二人で漫才をやっているときが楽しい!

山内圭哉さん:「2Cheat」は最後に必ず漫才をやるんですよ。

福田転球さん:二人である程度ネタは決めて漫才をしているんですが、お客さんとセッションするといういわゆる“生っぽさ”が、何とも言い難いんですけど、たまらなくいいんですよ。

—公演チラシの「よかとこでんなぁ、東京。」にちなんで東京の良さをお願いします。

山内圭哉さん:東京は人の層が厚いですね。関西の小劇場の世界ってもの凄く狭くて限られていたんですね。だいたい知り合いとかほとんど横の繋がりだったり。東京はあらゆる層が厚くて広い。色んな演劇があって、めちゃめちゃアホな人からめちゃめちゃインテリな人までいて、色んなジャンルの人と出会えるし、僕は東京のそういうところがいいなと思いますね。

福田転球さん:東京は、稽古場がいっぱいある!大阪はほんまにないんですね。東京には、「すみだパーク」という稽古場や「新宿村スタジオ」とか、稽古場が10個も20個もあるでしょ。大阪は1つもないんですよ。

山内圭哉さん:そういうところが、大阪って「地方都市」やなぁって思うんですよ。演劇で飯を食うすべがないんですよね。だから稽古場もないし。演出助手という仕事が食えないし。東京は演劇がビジネスになっている場所なんですよね。それにビックリしたよね。

福田転球さん:そう!セットを立てられる稽古場があるよね。東京に来るまでそういう事、ほぼ知らなかったんですよ。そういう風に稽古することもなかったし、そういうところは、東京は、全然先を行ってましたね。

—大阪のいいところは?

山内圭哉さん:やっぱり普通に安くて美味いもんがある。東京もあるちゅうゆうたかて、大阪の比でないですよね。あと、大阪帰る度にブレへんなぁとは思いますね。「相変わらずこの街は汚ったないなぁ」とか「こういうオッサン必ずいるなぁ。ブレへんなぁ。」とか、自分の街のホームタウンのブレてなさに落ち着きますね。

福田転球さん:大阪、最近、ちょっと惑わされるけどよう見たら変わってへんもんな。人は確かに変わってへん。

—それでは、本作を楽しみにしていらっしゃるみなさんにメッセージをお願いします!

山内圭哉さん:僕らもこの1年半は「来てね!」とも言いにくいご時世で、色々矛盾を感じながら、演劇を続けてきました。だからこそ観に来て下さったお客さんには、面白かったと満足してもらえるものを作りたいと思っています。

コロナ禍で鬱々とした気持ちを抱えている方も多いと思うのですが、それを逆手にとって、鬱々とした思いも笑いに変えて届けられたらと思っています。劇場のコロナ対策はもちろん万全でやっていきますので、くれぐれもご無理のない範囲でぜひお越しください。

福田転球さん:劇場へ笑いに来てもらえることが、僕らは一番嬉しいです!

 

☆ 公演情報 ☆

「2Cheat5(ツーチートファイブ)」
構成・演出・出演:福田転球 山内圭哉

公演日程:
【東京公演】 2021.09.07(火)-13(月) 下北沢・駅前劇場
【大阪公演】 2021.09.23(木・祝)-26(日) ABCホール
【高知公演】 2021.10.02(土)  土佐市複合文化施設つなーで

チケット:
【東京・大阪】 7/14(水)11:00~7/16(金)11:00 先行発売 ※FANYチケットのみ
7/22(木・祝)10:00~ 一般発売スタート
FANYチケット・チケットぴあ・イープラス・カンフェティ(東京のみ)
前売:4,500円 当日:5,000円 <税込・全席指定>
お問合せ:FANYチケット
0570-550-100(10:00-19:00)

【高知】 高知県立県民文化ホール・チケットぴあ・ローソンチケットにて発売中
前売:3,500円 当日:4,000円 <税込・全席指定>
お問合せ:高知県立県民文化ホール
088-824-5321(9:00-17:00)
「2Cheat5」公式Twitter
https://twitter.com/2Cheat4

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