パルコ・プロデュース2018「チルドレン」ロビン役 鶴見辰吾さんインタ ビュー!

今世界が最も注目する女流作家ルーシー・カークウッド(2014年ローレンス・オリヴィエ賞受賞)による傑作舞台 「チルドレン」 が、今秋、パルコ・プロデュース2018「チルドレン」として日本初上演する。カークウッドが英・ロイヤル・コート・シアターの招きで書き下ろした本作は、米ブロードウェイ、英ウエストエンドでの上演成功を受けて、今春シドニー・オペラハウスでも上演した。

物語は、イギリス東海岸の架空の原子力発電所が巨大大地震の後、大津波で原発事故が発生。津波の浸水で家を追われた核技術者の夫婦が移り住んだコテージに、元同僚で友人の女性が数十年ぶりに訪ねてくるところから始まる。2011年に福島で起きた事故に酷似しているが、主題は、反原発にとどまらない。人類の「叡智」が問われる挑発的な問題作が、日本で初上演を迎える。

演出には、栗山民也を迎え、翻訳には小田島恒志、そしてキャストには日本を代表する実力派俳優の高畑淳子、鶴見辰吾、若村麻由美の三人が競演する。PRE☆STAGEでは、本作で核技術者でありヘイゼルの夫ロビンを演じる鶴見辰吾さんに話を聞いた。

—本作の脚本を最初に手にされた時のご感想は?

鶴見辰吾さん:この作品は、福島で起きた事が題材で、日本にとっては、言わば逆輸入版のような形での上演になります。イギリスの方の感覚や文化、物の見方が随所にちりばめられていますので、これを日本のお客様にどのように共感を持って観ていただけるのか、そして果たして満足していただけるのか・・・これは役者として大きな課題をクリアしなくてはならない芝居になるなと言うのが第一印象でしたね。面白くもなりますけれども、下手するとお客様の心に何も突き刺さらない危険性もあるのではと思ったりもしたのですが、そこは、栗山民也さんの演出で、共演者の高畑淳子さん、若村麻由美さんという実力派俳優のお二人ですから、我々三人も力を合せて原作の「チルドレン」を更に良い形で日本上演できればと思っています。

—今回、鶴見さんが演じられるロビンとご自身を比較していかがですか?

鶴見辰吾さん:こういう可愛いおじさんは、日本にいるか、いないかの微妙なところですが。(笑)彼は女性に甘えるところは甘えるけど、あるところから男性力を発揮します。そこがチャーミングなところなんですよね。僕もちょっと奥さんに甘えているところがありますからね。そこが彼との共通点ですかね。(笑)そうやって女性に甘えつつも、やっぱり決断すべき時には決断して女性を引っ張って行かないといけないっていう部分が彼にはありますからね。そこは男性としてロビンに共感するところはありますね。彼は凄く優しい男なんですよ。

—社会派のハードなイメージかと思っておりましたが、恋愛の要素もあったり、いい意味で意外性があって面白い作品ですよね。

鶴見辰吾さん:ポスターがかなり重厚なイメージですので、「ちょっと、やめておこうかな・・・」って思わないでいただきたいですね。(笑)実は、恋愛もあり、青春の日のフラッシュバックもあり、自分達の人生を振り返る部分もあったり、今後、人類が生きていく上でどういう考え方の転換が必要なのかということを提起してくれています。そこから更にお客様の知的創造力で物語を膨らませていただければと思っています。

—それでは、観客の皆さんにメッセージをお願いします。

鶴見辰吾さん:この作品は、人間のおかしさ、滑稽さが物語の台詞や場面に散りばめられています。例えシリアスな状況が目の前にあったとしても、人間ってやっぱりユーモアが大切なんですよね。人間の抱える矛盾、複雑な可笑しみ、悲しみと言ったものを、この「チルドレン」の三人芝居の中から味わっていただけたらと思っております。頑張ります!

パルコ・プロデュース2018「チルドレン」は、9月8日(土)‬彩の国さいたま芸術劇場を皮きりに、東京、豊橋、大阪、高知、北九州、富山、宮城の全8都市にて上演。‬

詳細は、パルコ・プロデュース2018「チルドレン」公式サイトへ

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