原田眞人監督 全国ロードショーへの熱い想い 映画 「日本のいちばん長い日」 完成披露試写会レポート 【前編】

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8月8日公開予定 映画「日本のいちばん長い日」完成披露試写会が、東京・丸の内ピカデリーで開催され、メインキャストの役所広司さん、本木雅弘さん、松坂桃李さん、監督・脚本の原田眞人さんが登壇した。

半藤一利さん傑作ノンフィクションを原田眞人監督が完全映画化した本作、映画「日本のいちばん長い日」は、1945年日本がポツダム宣言を受諾し、降伏まで至る一部始終を描いた作品。

司会進行は、テレビ朝日 八木麻紗子アナウンサーが務め、発壇者のキャスト陣、原田監督より舞台挨拶がおこなわれた。
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徹底抗戦を主張する陸軍を代表しながらも天皇の身を案じて苦悩する
阿南惟幾役:役所広司さん
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「こんばんは、阿南を演じました役所広司です。今日は、暑い中、お忙しい中、完成披露試写会に来ていただいて本当にありがとうございます。どうぞこの映画ゆっくり楽しんで下さい。ありがとうございます。」

国民を想い、平和を希求する
昭和天皇陛下役:本木雅弘さん
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「みなさま、お暑い中お集まりいただきましてありがとうございます。公開がどんどん近づくにつれて、この映画の中で、自分が責務を果たせたのかと言う事が、重く圧し掛かってくるような息苦しい想いをしているのが、正直な気持ちです。早く公開されて、賛否両論受けるつもりでおりますので、是非、多くの方に観ていただいて、個人的には叱られながら、早く楽になりたいと言うのが本音です。よろしくお願いします。」

終戦に反対し、日本の未来を思いながらも狂気に駆られていく陸軍若手将校
畑中健二少佐役:松坂桃李さん
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「みなさん。今日は貴重な時間の中、本当にありがとうございます。今日は皆様に観ていただいて、より多くの方にこの作品を知ってもらい、より多くの方に劇場に足を運んでもらう為にもどうか一つご協力をお願いします。ありがとうございます。」

原田眞人監督
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「おととい、実はこっそりと各国大使向けの特別試写会というのをやったんですね。150カ国に招待状を出して66カ国、120、130人の方がいらして下さって、大使も40人の方がいらっしゃいました。反応は素晴らしかったです。何が素晴らしかったかと、彼らが言ってくれるのは、やはり人間がきっちり描けてる。歴史の重要な局面で、人間がどういう行動をしたのかが描かれているそれに感動したと。終わった後、某大使館からは、即ディナーに招待をという事まで言われてすごく喜んでおります。この作品どの国に持って行っても賛否両論あるとしても支持する人は必ず多いと思うし、映画作品としての面白さという事について論じてくれるところがあると思っています。この作品というのは、全国のかけこみより少ないんですね。1番腹が立つのは、4つの県で一回も上映しない県があるんですね。これは、富山と山梨と徳島と高知です。もし、そこに知人の人があったら、その土地の映画館に抗議の電話かけて下さい。8月8日に何でこの映画をやらないんだ。本当、ご高齢の方にも観てもらいたいし。是非、みなさん民意を表すという意味で各地でこの作品を盛り上げていただけたらと思います。よろしくお願いします。」

続いてキャスト、監督に質疑応答が行われた。

—これからご覧いただくにあたっての見所、そして、是非注目してもらいたいところを教えていただきたいと思います。

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役所広司さん
「これから観る方に、見所をしゃべるのもなんですが、そうですね。終戦から70年、でも、たった70年で、この国も変わったように思います。この映画は、岡本喜八監督が、映画化されています。今回原田監督が演出されて、スピード感と大きな違いとしては、昭和天皇が堂々と姿を現して登場人物として、本木さんという俳優が演じています。素晴らしい昭和天皇を演じています。映画の物語で昭和天皇を演じているのを観ることは、ほとんどないと思います。それが見所と言えば見所ですかね。」

本木雅弘さん
「いや、参りましたね。昭和天皇を演じさせていただいたわけですけれども、実際の私は、相当の鈍さのある人間です。そして、戦争を知らない世代でかつ、そういった方面に興味を持った時間が少なかったので、非常に恥ずかしいのですが、これから初めて観ていただくみなさんに、こんな事を言うのはおかしいかもしれませんけど、この映画は、2回目に観た時がピークです。」(会場笑)

原田監督
「あの大使達は、1回目でわかってくれましたが。(笑)」

本木雅弘さん
「そのような能力のない私達、もしくは一部の方、私のような人間は、最初は感覚的に観て、2回目に観た時に鮮やかに色んなものが掴み取るようにわかるという。その時になって初めて、映画の中で山﨑さん演じる鈴木貫太郎さんが、阿南さんに「皆、国を思う情熱でした」という台詞があるのですけれども、そういった言葉も含め、難しい専門用語とか理解する以前に、とてもシンプルな深みのある言葉ってのが、箇所箇所にありまして、そういうものが残像のように突き刺さってくると思いますので、その辺りを楽しんでいただければと思います。」

松坂桃李さん
「僕は、陸軍将校を演じさせてもらったんですけども、僕ら若い者が「動」とするならば、役所さん元木さんが「静」かなと。僕はこの作品を観て思い。それぞれが国を想って、「静」と「動」と言うものがどのように動いていくのかっていうのが、原田さんがすごいスピード感もあるし、その「静」と「動」が変わっていく様っていうのが、非常になんでしょうね。怖いなと思いました。僕がどうして怖いなって思ったかは、これからご覧になるみなさん、そういう感想になるかどうかはわからないですけども観て感じていただければいいと思います。そして、恐らく3回くらい観たらより深いところがわかってくるのじゃないかなと思います。楽しみにしていて下さい。」

原田監督
「監督の立場から言うと、ここを観てくれというのはあんまりないんですけども、僕自身が、これを作るにあたって、いちばん最初にイメージしたシーンというのは、半藤先生の原作にもあるのですが、鈴木貫太郎首相が、昭和天皇に御聖断をお願いする時に、動きが御前会議に居合わせた人達がみんな「鞠躬如(きっきゅうじょ)」であったと。その鞠躬如(きっきゅうじょ)という儀礼的な動きをするのですけれども、それにみんな感動しているんですね。実際にどういう動きだったのかよくわからないので、そこのところは、能楽師の茂山逸平さんにも現場に来てもらって、能表現の動きにしたのですが、そのシーンというのは、鈴木貫太郎さんと昭和天皇だけではなく、阿南さんも実際に行ってるんですね。その三人がワンフレームにおさまる瞬間を僕はこの映画の臍だと思って脚本書き始めて、実際にそのシーンを撮るときが、気分が高揚していました。三人がそこで本当に素晴らしかったですね。多分、このシーンかなって、ごらんになってわかると思うんですけどその事だけ頭に入れといて下さい。」

つづいて、キャストのみなさんへの質疑応答が1人ずつおこなわれた。

—役所広司さん、原田監督の作品への出演は本作で7作目ということで、前作「わが母の記」からおよそ2年ぶりのご出演となりますけども今までと何か変わった点はありましたでしょうか。

役所広司さん
「意外と僕が感じるのと松坂くんが感じるのでは違うんですけど、現場で怒る回数が少なくなったように思いますね。」

—おだやかになってきたということですか。

役所広司さん
「僕はそう思うんですけどね。松坂くんは違うって言うんで。」

松坂桃李さん
「僕は今回初めてだったんで、初日から結構、監督の声がすごく飛び交っていた。それが終わりまで続いていたんで、役所さんと違うと思うんですけどね。でも、その緊張感が僕は居心地がよかったです。」

—緊張感がある程度あるということですか。

松坂桃李さん
「そうですね。畑中としても、その時代の空気感というものが。」

役所広司さん
「下手だったから怒られたんじゃないの?」

松坂桃李さん
「いやぁーそれもあったかもしれないです。」

原田監督
「桃李は怒鳴ってないよね。一度も。」

松坂桃李さん
「そうですね。僕に言われてるんじゃないかと思ってやってました。」

原田監督
「そのとおりだけど。」(会場笑)

—本木さんは、原田監督の作品初めてということですけどもいかがでしたか?

本木雅弘さん
「本当に群集をまとめる力のある人だなぁと思いました。それでみなさん役者さんがおっしゃるんですけども、それぞれの持ち味を上手に引き出してくれる。いい意味で自由と責任の与え方がとても上手だと思いました。一見、任せると言ってるようでありながら、その責任はきちんと背負うと言ってるようなその投げかけ方で、「答えよう」と発揮するという。私自身は、自分の目の前の事を積み上げて行くってことでしかなかったですけど、聞くところによると、その怒鳴りの中の一つには、キャストという名のついている人は250名はざらにいたらしいんですね。その人たちを動かし、かつエキストラの方達もいる。その中で色んなシーンがあるのですけども、与えられた台詞もあるのですけれでもすぐその場でオーディションが始まってしまう。その方の言い回しが下手だったら、「ちょっと、あなたその台詞言ってみて。」と変えたりするような感じでライブ感があって、弱肉強食って感じでみなさん生き残りをかけてって感じで、一挙手一投足全てをかけるっていうような感じでやられていて、それを切り取って行くって方法をとられていて・・・。」

原田監督
「それは樹木さん(本木さんの義母 樹木希林さん)から学んだ方式です。」(会場笑)

本木雅弘さん
「とにかく絶対に台詞が噛んだり間違ったりしても止めるなと。それを「すいません」って言わずにそのまま演じきろというのが基本的指示だったと思います。」

—それでは、本当、大御所ばかりのところで松坂さんは、はじめての原田監督の作品出演となりましたけれども、現場では役に入り込んでいて本編を観た時に、何か感動したというところがあると聞いたのですが、どういうことでしょうか。

松坂桃李さん
「ネタばれになるかもしれませんけど、海外の映画のように、先に名前がバーンと出てくるのが、あーうれしいなって思いましたね。今までそういったことがなかったので。こんな役所さんや本木さんをはじめ早々たる先輩方の中に、自分の名前がこうやって最初にのって繰り上がって来たっていうのは、本当にうれしかったです。」

—原田監督は、終戦の日までちょうど1月ということで、改めて戦争についてお思いになっていることをお聞かせいただけますか?」

「戦争体験者がどんどん亡くなられていきますよね。その中で、こういう政治状況もあって、我々若い世代が歴史が苦手だっていうのを言ってますよね。それとアメリカと日本で戦争をしたの?という学生が増えているっていうので驚いたメディアって言うのは1970年代半ばなんですよね。その人達が親になり、教育者になり出てきた若い世代が本当に戦後70年の根っこの部分で何がおこなわれていたかまったく興味もないしという事があったと思うんですね。それが幸か不幸か政治の形態がこういう風に動いていくことによって、もう一回それを検証しよう、考えなおそうというタイミング的にはいい時期にあったなと。僕自身は、21世紀になってこの映画ずっと作りたかったんですけれども、今、この時期にタイミング出て、8月に封切られるということに歴史的な価値を感じています。
引き続き、映画 「日本のいちばん長い日」 完成披露試写会レポート 【後編】に続きます。

映画「日本のいちばん長い日」は、8月8日(土)より全国ロードショー予定
(7/15(水)現段階で4県が未定)

詳細は、
映画「日本のいちばん長い日」公式サイトへ
http://nihon-ichi.jp/

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